意思決定

 医院経営において、経営者の仕事として大切なのは意思決定ではないでしょうか。医療人として経営者として、その地域において地域医療を継続的に実現していくためにもご自身の医院の舵取りが重要になってきます。

その意思決定なのですが、人・物・金・情報と多岐にわたります。その様々なことに一つ一つ情報をあつめて個別に検討意思決定をしていたら時間がいくつあっても足りませんし、その意思決定が医院として統制がとれていくかどうかも問題です。
やはり事前に自分の医院の意思決定の判断基準をあるていどつくっておくのがよいでしょう。これは医院の開業準備段階においても同じようなことがいえます。

そこで重要になってくるのが、医院の医療理念ではないでしょうか。
その医療理念をつくる背景や理由を医院経営に反映させることが重要です。医院の医療理念と実際の医療の経営・医療活動に差異が生じている場合は、医療理念がスタッフにも当然患者にも浸透していないことも多いでしょうし、逆に整合性が取れている場合は、地域での役割や機能も時間とともに浸透していくのではないでしょうか。
そしてなおかつその医療理念を基に労務管理、マーケティング、財務管理、仕入れ・在庫管理、施設・機器等の管理をしていくことにより、よい経営を行い、そしてさらに地域医療に還元していくことができるのではないでしょうか。

医院開業の準備においても同様です、医療理念に基づいて、診療方針や診療機能を定めていき、立地・マーケティングも方向性が変わってきます。お金についても、医療理念をこの地域医療において実現するためにはどこにお金を使うか、また節約する部分はどこかなど。
設備や医療機器・備品など一つ一つの選択においても方向性が見えてきます。
地域医療としてやりたいことをどこに注力するかといういとき、医療理念をもとに判断すべきでしょう。理念なしにこれもやるあれもやるではお金もいくらあっても足りませんし、地域医療としても医院としても無駄が多くなるでしょうし、無駄な苦労も増えるかもしれません。