医院施設管理

 施設管理は医院経営において非常に重要な意味があります。通常外観などイメージに目がいきますが、この部分は科目にもよるのですがコストの範囲内でメリハリをつけてやるほうがいいと個人的には思っています。特に重要だと思う点はやはり動線です。これは経験が豊富でノウハウがある会社と経験がないもしくは少ない会社では大きな差がでますし、工事をした後開業して動線が悪いから変更したいといっても出来なかったり、予算的にも大変だったりします。具体的にいうと動線が悪いと少し忙しくなったら人をすぐ増やさないといけなかったり、プラン上患者アメニティーが悪いなどです。医院経営は人件費などの固定費が他業種と比較しても大きく、どれだけスタッフや自分が効率的に動ける環境作りをするかで経営効率が変わってきます。

また、医院経営は立地や地域特性があります。都市計画法等法律の地域制約、地域性の問題で冬は大雪が降るとか、黄砂塵が舞うとか、塩害を受ける地域とか、よいほうでは地域のロケーションを十分にいかした設計とか、その他来院患者が自分の医院の敷地内や出入り口で事故をおこさないような設計や医院経営の特性上隣接の住民にも特に気を配らなければなりません。このようにプラスポイント、マイナスポイントを踏まえたうえで管理が必要になってきます。

また、参考としてですが一般的にハートビル法といわれている法律があります。これは、国土交通省が高齢者や障害者に利用しやすい認定施設に対して、補助金や税務上の割増償却を認めたり、容積率の割増を特例的に認めたりするものです。施設用件が600u以上ということもあり、通常の医院規模であれば認定要件には該当しないのですが、人間工学に基づいてスロープの角度を%でベストの傾斜設計を出していたりと細部にまで具体的な用件が載っています。つまり高齢者や障害者にやさしいノウハウ設計がつまっています。
この場合注意しないといけないのが、施設利用者には非常にやさしい施設になるのですが、面積(工事コストも含め)をとられます。
この部分があるから直接的な収益を生むというものでもありませんので、費用対効果を十分に検討することが必要かと思います。