相談相手はいるか。もしくは誰に相談するか。

  本当の意味で信頼のおける医院開業についての相談相手がいれば、開業を進める上での意思決定判断はスムーズにいくと思います。すでに信頼しきっている相談相手(実力がある)がおられる先生であれば、安心でしょうが。

また、誰に相談するかという部分も出てくると思いますのでお話します。
一般的なのが、「親しい開業医の先生」、「医薬品卸」、「医療機器業者」、「医療専門の設計・建設会社」、「医療に強い会計事務所・税理士事務所」、「医院開業コンサルタント」などかと思いますので簡単に特徴を述べてみます。

「親しい開業医の先生」ですが、生の声が一番新鮮ですし、実務レベルで参考になることが多いと思います。これは、成功例も失敗例(こうしておけばよかったなど)も聞けた場合ですが、問題点としてはやはり本当に親しい方でないと本音の部分が出てこなかったり、開業医の先生はお忙しいこともありそうそう時間を多く割くことが出来ないといったところでしょうか。信頼できる先生からの紹介も安心という意味でもいいかと思います(問題点として相性が悪い場合断りにくいなど)。

「医薬品卸」ですが、大手の卸には開業支援部門がある会社もあります。歴史もあるため実績も非常に多く、競合医療機関の情報も持っています。メリットは安心感とほとんどがコンサルフィーなしで医院開業の支援をしてくれることでしょうか。デメリットとしては医薬品卸もビジネスなので医療機器や医薬品の購入にあたり競争原理が働きにくいなどです。特に医薬品は長期的なランニングコストとして大きなものになりますので、検討が必要かと思います。

「医療機器業者」ですが、開業支援をしている会社も多いのですがこちらもメリット・デメリットとも医薬品卸と似たような感じになるかと思います。医療機器は設備投資で大きなウエイトを占めますので検討が必要かと思います。

「医療専門の設計・建設会社」ですが、特徴としてやはり建設に絡むものは強いですね。特に特筆すべきは動線等のノウハウでしょうか、医院経営において動線は非常に重要で、動線が悪い(経験・ノウハウがない業者の場合など)場合少し忙しくなったら人を増やさないといけなくなったとか、Drの利き腕により設計を作り上げるなど。他にも一例でいえばトイレの内開き(中で倒れた場合助けにくいなど)などです。しかし、建設も医院開業設備投資の中で大きなウエイトを占めますので検討が必要かと思います。

「医療に強い会計事務所・税理士事務所」ですが、大手医薬品卸などとは組織的にも違って全体的には医院経営に優れたスタッフは事務所内に少なく、事務所によっては育成中というところもある感じはします。いい人が担当につけば非常に力強いと思います。

「医院開業コンサルタント」ですが、通常有料となります。費用は各社それぞれと思いますが、無料のコンサルをする業者以上のノウハウと、各業者に対する競争原理を働かすことが出来るところなら有料であってもそれ以上のメリットは十分に出ると思います。
しかし、そこで一番困難なのは実際メリットがあるコンサルタントはどこかということになるかと思いますが、ポイントとしては、複数のコンサルタントの話や情報を得、特に診療圏調査の部分での独自ノウハウや業者選定の進め方で競争原理が働くか、戦略策定はなどを中心に価値があるかどうかを判断されてはどうかと思います。但し、事前の基本的な医院開業の知識を得たうえでの検討が必要かと思いますが。

最後に実際に医院開業の計画を進めていくにあたって大切なのは、その医院開業の支援をしてくれる担当者との相性も非常に重要かと思います。長いお付き合いになりますし、本当に親身になってくれる方でないとうまくいきません。これが相性が悪い方だと言いたいこともいえない、や言っても真意が伝わらないということもあり結果として不満が残る開業になりかねません。
先生ご自身が納得して満足できる開業のためにもここが一番重要なポイントではないでしょうか。